自己肯定感を養える
そもそも自己肯定感とは?
自己肯定感とは、
「自分には価値があるんだ」
「自分は愛されているんだ」といったように
自分の価値や存在意義を前向きに受け止める感情や感覚のこと。
自分のことが好きで、今の自分に満足している子どもの心や行動のあり方を指します。
自己肯定感が高い子どもは、自分のことを大切に思い、
周囲からも大事にされていると感じているため、
失敗よりも成功を強く意識して前向きにチャレンジしたり、
壁にぶつかっても立ち向かっていくことができます。
また、人と積極的に関わり、他者や環境を受け入れ、
良好な人間関係を築いていける傾向にあるのです。
子どもの「自己肯定感」が低い日本
「日本は諸先進国に比べて自己肯定感が低い」
という調査結果が内閣府から発表されています。
※内閣府(特集 今を生きる若者の意識~国際比較からみえてくるもの)
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26gaiyou/tokushu.html
これは、日本の文化に関係してくるのかもしれません。
日本では「謙譲の美徳」とも言われるように、
自信ありげにふるまう態度よりも、
「私なんか」と謙遜する態度の方に好感を持つところがあります。
自信ありげに目立つ人は「傲慢だ」と叩かれる。
謙遜して控えめにしている人は「いい人だ」と評価されたりする。
長い文化的歴史的背景の中で皆が無意識に了解しています。
自分を低くし、謙遜することによって人から受け入れられる。
つまりそれは、集団の中での安全と安心を意味し、
究極、生存にとって有利であることを意味します。
だから、安全と生き残りの手段として、
自分を低くするということが必要だ、
と皆が思い込むようになっていくのです。
では、どうやって自己肯定感を伸ばすの?
豊かな人生を送るための基盤となる自己肯定感。
では、子どもの自己肯定感を高めるためには、どうすればよいのでしょうか。
重要な鍵となるのは2つと考えています。
1つ目は「ほめる」こと。
ほめられることで、子どもの心はオープンになり、素直な気持ちになります。
また、認めてくれた相手に対する信頼が高まり、他人に対しても優しくなれます。
そして、前向きに自分の力を出して、誰かの役に立ちたい、もっと頑張りたい、
と思うようになるのです。
2つ目は「自信を持つ」こと。
自分に自信が持てるようになれば、
人と積極的に関わり、他者や環境を受け入れ、
良好な人間関係を築いていける傾向にあるのです。
プログラミングでなぜ自己肯定感が養えるの?
ロボットプログラミング学習では、
子どもたちが自分で考える機会が多くあります。
自分で考えたことを表現したり、
なんらかの課題をクリアすることを通して、
「自分にもできた!」という自己肯定感を得られます。
自分自身や考えを表現するツールは他にもたくさんあります。
しかし、プログラミングはその中でも飛びぬけて
「作りたい」から「できた!」までのプロセスが短いと言えます。
それは物理的な制約のない場面でのモノ作りだからです。
何かを間違えたらエラーで知らせてくれるし、
同じようなものを作りたかったら
「コピペ」を使えることも多いです。
このように、完成までのプロセスがとても速いので
自己肯定感を得やすいツールだと言えるでしょう。
※引用:子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由 インプレス社出版
「自信が持てる」のはどんな場面?
子どもたちがプログラミングを学ぶ「場」に
目を向けてみると子どもたちにとって
「自分に自信が持てる」学びの場
であることがわかります。
その理由の1つは「多様性」です。
プログラミングを学ぶ場は、
年齢、スキル、成績、目指す進路など、
様々なバックグラウンドを持つ子供たちが、
1つの空間に集まって学ぶことが可能です。
プログラミング学習そのものが、
子どもたちの興味のあることや好きなことをベースに
作品作りを通して学べるという特徴があるからで、
異なるバックグラウンドの子どもたちが
一同に集まっても学習を進めるうえでは
大きな障壁にならないのです。
そのため、いろいろな子供たちが混ざって学びあう光景が見られます。
このような学習環境においては「仲間との関わり」が
子どもたちの自信につながる場面が多いのです。
互いの作品を見せ合ったり、
評価しあったりする過程で、
相手の個性や自分の違いを認め合う関係性が生まれ
自分もまた相手に受け入れられるという経験をします。
そんなやりとりを通して、
子どもたちは自分の自信につなげていくととともに
多様な子供たちがいる安心感は、
自分の自由な発想を広げる支えになります。
※引用:子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由 インプレス社出版